
結婚ビザ申請においての理由書が必要なときとは?
最終更新日:2025年3月20日 行政書士 勝山 兼年
客観的な証明ができないときに代わりに提出する理由書!
結婚ビザ申請において、結婚に至る経緯を綴った結婚経緯書とは別に、理由書を提出する必要なことがあります。結婚生活の経費支弁方法を客観的に証明できないときです。必須資料を提出できないときに理由書を提出することになります。理由が合理的だと判断されれば、必須提出資料を提出ができなくても許可される可能性があるのです。
日本で暮らしている者のうち自営業者や非課税内の収入で暮らしている者は少なくありません。これらの方は、何らかの手段で生活を維持できているのでしょうが、在留資格審査においての基準は、日本人が暮らすためのそれとは異なります。入管法5条(上陸の拒否)3号「貧困者、放浪者等で生活上国又は地方公共団体の負担となるおそれのある者(公共の負担となる者)」とあります。これは、日本での在留を希望する外国人が生活保護申請などの恐れがある場合は陸させないことができると理解されています。これが外国人配偶者の身元保証人で扶養者となる日本人配偶者の収入や納税状況の証明が、在留資格審査においての重要となる理由です
理由書の内容は客観的な証明書が提出できない理由はもちろん、審査において何故その証明書が必要であるかの目的を理解し、経費支弁能力などの在留資格適合基準に相当するとの説明をするがも必要です。
理由書が必要な状況
結婚生活の経費支弁者である日本人配偶者の収入や納税状況に難がある場合などに理由書を提出することになります。
- 前年度の収入が少なく、住民税の課税証明書の金額が低いとき。
- 海外勤務から戻ったばかりで、前年度は非課税扱いであったとき。
- 外国人配偶者が日本入国後に働くとき。
- 日本人配偶者の親族が経費支弁者となるとき。

客観的証明書だけでは、相当性が認めてもらえない者
サラリーマンなど給与取得者であれば、住民税の課税証明書や源泉徴収票を提出すれば、収入や納税状況を判断できます。しかし、請負で仕事をしている者や自営業者、親の扶養に入っている者、収入が少なく独立して生活が維持できない者などは外国人配偶者が日本入国後にどのように生活を維持するための支弁していくのかを、合理的具体的に説明しなくてはならないのです。
- 工事現場作業員、職人など雇用契約ではなく、請負契約で仕事をしている者
- 自営業者
上記の者でも、十分な生活支弁能力があるだけの所得を申告しいる者は理由書の提出は不要です。売上ではなく所得の額が重要です。所得税は所得の額に応じて、納税しなければなりません。所得に対して適正に納税がなされているかも審査されるのです。
- 外国で納税している者
また、外国に関わる仕事をしており、納税を外国にしている者も理由書が必要です。租税条約締結国に居住していることを理由に、日本での納税を逃れている者は、将来は日本で納税することを説明しなくてはなりません。日本で納税しないことは非居住者であることを証明することになり、当然、外国人配偶者と日本で同居をしていないと証明していることになるのです。
- 学生
- 少額の給与取得者
日本人配偶者がまだ、学生で有ったり、女性で出産などを控える時期で、十分な収入を見込めない状況である場合などは、日本人配偶者の両親などの親族に経費支弁者になってもらってください。経費支弁者との関係や経費支弁額を説明する文書が必要となります。
理由書を補足する資料
理由書の内容によっては必須提出証明書類の代替資料を提出することとなります。過去の収入が少なくても現在は結婚生活が十分に可能な額の収入があることを証明する給与明細書などの資料を提出することです。
- 前年度の収入が少ないとき→現勤務先の給与明細書
- 海外勤務から戻ったばかり→海外勤務時期の給与支払い証明書
- 外国人配偶者が日本で働く→就職予定先の採用予定通知
- 親族にが経費支弁者となってもらうとき→親族の課税納税証明書・在職証明書
許可のために証明するのは申請者側
在留資格審査において、許可の相当性があるとの証明するのは申請者側です。申請者とは外国人配偶者とあって、そして、その扶養者、身元保証人である日本人配偶者です。審査を担当する入国審査官に許可を出す方向で審査してもらうために、合理的な理由書とそれを補足する代替資料の提出を積極的にするべきです。出入国在留管理局が求める客観的資料だけで済む場合は稀であり、ほとんどの方は何らかの理由説明が求められるものです。

- 客観的証明書が提出できないときの代わりのもの。
- 経費支弁能力を証明する。
- 許可のために証明するのは申請者側。